奈良教育講堂「飛翔館」

奈良教育講堂「飛翔館」
物件名 奈良教育講堂「飛翔館」
所在地 奈良県奈良市
構造規模 RC造 2F
延床面積 1,785㎡
竣工 2008年

奈良教育講堂“飛翔館”は、航空自衛隊幹部候補生学校の入学や卒業などの式典に供せられる機能的な用途を超えて、航空自衛隊の歴代の幹部が巣立っていった当学校の象徴的、歴史的な背景を担っています。

教育講堂は、幹部候補生学校敷地中央部に位置する芝生の中央訓練場に南面して大きな切妻の破風のファサードを形作っています。このシルエットは“チャペル”と呼ばれた初代教育講堂の記憶を喚起すると同時に、航空自衛隊の中核的なイメージである“飛翔”を表象しています。

大きな硝子の妻壁が特殊な亜鉛葺きの大屋根を持ち上げ、大きな鳥が大空に舞い上がるような外観を意図しています。

建物は、御影石張りの玄関ポーチ部分を中心に左右対称の構成をとっていますが、八角屋根の応接室が東側の庭園に張り出すように配置されて、建物全体に躍動感を与えています。この応接室部分は、通称“八角堂”と呼ばれています。

玄関ホールはこの建物に相応しい木目と大理石、特殊タイルなどを使用して講堂の玄関に相応しい品位と格調を形つくっています。

講堂は、一階に車椅子席を含む四百九十席、二階に百十席の父兄席で構成され、通路の巾や前後のスペースをゆったりと確保した施設となっています。壁は木目の柔らかさを表現し、床は自然の材質感の木材、厚手のカーペットとして、天井は大空に伸びてゆくこの講堂のイメージを反映させたデザインとしています。

舞台側は控え室、音響や映像の操作室、倉庫が効率よく配置されて式典の円滑な運営を支えています。講堂の東側には、応接室や集いの場を庭園が望めるゾーンにレイアウトして、式典の前後の期待と余韻をゆったりと味わえるよう計画して、教育講堂に建物の深みを与えています。

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